医療モールで開業するメリットとデメリット

2018.03.06

医療モール(集合医療施設テナント)に入居するメリットとデメリットについて確認しておきましょう。

1.集患がしやすい

はじめにそのメリットですが、商業施設の中にある医療エリアであれば、地域に住む人の認知度が高いので集患がしやすいと言えるでしょう。また、クリニック専用ビルやクリニックビレッジであっても、地域医療におけるランドマークとして存在感が増せば、同様の効果を見込むことができます。買い物帰りや他の科を受診するついでに利用できるため、患者側の利便性が高まり、集患にもつなげやすくなります。医療モール合同での内覧会の開催、駅看板や新聞の折り込みチラシ、ポスティング、ホームページ等を使った広告・宣伝活動も積極的に行われるので早期に認知度も上がります。

2.他科と連携が図れて、専門性を生かしやすい
医療モールは、専門性の高いクリニックが複数科目集まるため、他科を専門とするクリニックと連携を図れることも大きなメリットの一つです。自分が詳しくない分野についてはすぐそばにある他院を紹介できるため、広い意味で診療の質が高まります。患者の安心感が増し、集患に寄与することもあるでしょう。例えば、内科と眼科が入居していて、内科に糖尿病の患者が来院した際は、合併症である糖尿病網膜症が発症していないかどうかを眼科で確認することができる、といったことです。違う分野の専門家が集まっているため、自分の専門性に特化した診療を行いたい場合にも向いていると言えるでしょう。

さらに、医療モールは、調剤薬局が主導して展開するケースが多く、こうしたケースにおいては、薬局側から様々なサービスが提供されることになります。多岐にわたる医薬品を常備することはもちろん、最後の患者が帰るまで薬局を開けておくことや休診日が異なっている場合でもどこかのクリニックがひとつでも診療していれば薬局を開けておくことなど、医療モールならではの配慮が数多く見られます。

また、複数のクリニックが存在するため、院長間のコミュニケーションやスタッフへの気配りにも目が行き届きます。

3.初期費用を抑えられる
医療モールは単独での開業に比べて、初期費用を抑えられる場合があります。クリニックが入居する前提で建物が作られている場合は内装費を下げられる可能性があり、状況によって異なりますが、看板や駐車場、トイレなどを共有化することで賃借面積を小さくすることができます。

このようなメリットだけに着目するならば、集合医療施設は、ドクターの立場からすると全く申し分のないように映るかもしれませんが、開業前には見えにくいデメリットも潜んでいるので注意が必要です。

まず、複数科目のクリニックが集まる結果として、診療科目によっては患者の奪い合いとなることがあります。例えば、喉の不調などは内科と耳鼻咽喉科のどちらでも診察が可能です。このような診療対象が重なる症状に関しては、目と鼻の先に競合クリニックがあることになるため、「他科に患者を奪われたらどうしよう」というストレスを感じることになるかもしれません。

ことにインフルエンザの予防接種に関しては、どの診療科目でも実施するため、クリニック間で軋轢が生じる原因となることがよくあります。

医療モールでは、こうした受診科目の重複やドクター同士の行き違いなどが発端となって、クリニック間での対立が生じ、その結果、院長同士が全く口をきかない関係になることもあるのです。

医療モールで開業する場合には、他のクリニックとのバランスに気を配り、十分なコミュニケーションを培っていく心遣いが必要となってくるでしょう。反対に、こうした配慮が鬱陶しいと思うのであれば、医療モールは候補から外して考えていくべきでしょう。

(カテゴリ|医療モール)

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