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医院開業コラム

かかりつけ医機能報告制度とは~クリニック編

かかりつけ医機能報告制度とは~クリニック編

「かかりつけ医機能報告制度」とは、それぞれの医療機関が都道府県知事に対して、慢性疾患の治療や高齢者の生活などを支えるための「かかりつけ医機能」を持っていることを報告する制度です。ここではクリニックにおけるかかりつけ医機能制度について述べさせていただきます。

2023年の医療法改正に基づいて創設された制度で、「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」の一環として、2025年4月から施行されています。

すべての医療機関が報告をする必要があり、下記の2点について必ず確認をしてください。

① 「かかりつけ医機能報告制度にかかる研修」の修了申請をしてください。報告を行う際に、かかりつけ医機能にかかる研修を修了していることを報告する必要があります。  「日医生涯教育講座」の単位を活用して、この研修を修了することができます。

② 報告の方法について

報告は、G-MIS(医療機関等情報支援システム)上で入力して行います。報告時期は、1月~3月です。  具体的な入力方法は、下記の厚労省発出マニュアルをご参照ください。https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001590091.pdf

「かかりつけ医機能報告」において具体的にどのような内容を報告するのかを押さえていく必要があります。報告事項には2種類あります。

1.1号機能に関する報告事項 1号機能の概要としては日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能

具体的な報告事項としては

①「具体的な機能」を有すること及び「報告事項」について院内掲示による公表をしていること

②かかりつけ医機能に関する研修の修了者の有無、総合診療専門医の有無

③17の診療領域ごとの一次診療の対応可否の有無、いずれかの診療領域について一次診療を行うことができること

④一次診療を行うことができる疾患を報告していること

⑤医療に関する患者からの相談に応じることができること(継続的な医療を要する者への継続的な相談対応を含む)が主な報告事項になります。

2.2号機能に関する報告事項としては、通常の診療時間外の診療

①自院又は連携による通常の診療時間外の診療体制の確保状況(在宅当番医制・休日夜間急患センター等に参加、自院の連絡先を渡して随時対応、自院での一定の対応に加えて他医療機関と連携して随時対応等)、連携して確保する場合は連携医療機関の名称 ②自院における時間外対応加算1~4の届出状況、時間外加算、深夜加算、休日加算の算定状況

まとめ

「かかりつけ医機能報告制度」は、2025年4月から施行されたばかりで、実際に医療機関側が報告を行うのは本年度の後半になる見込みです。

この制度は報告して終わりではなく、毎年度行う想定であり、確認・公表されたデータをどう扱うか・どう活かすかが重要とされています。制度施行に伴い、一層地域における連携体制強化が求められるでしょう。

医療機関経営者として、今後の制度の動向を随時チェックし、制度の改変に合わせた対応を都度とっていくことが求められます。

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