1.日本国内におけるキャッシュレス決済比率の推移
まずは現在の日本国内の市況におけるキャッシュレス決済比率についてみていきましょう。
経済産業省より2022年度の市場全体のキャッシュレス決済比率は36%(111兆円)*と発表されました。
経済産業省は、2025年までにキャッシュレス率40%という目標を掲げキャッシュレス決済の推進を行って
いますが目標以上にキャッシュレス決済比率は上がると思われます。
またクリニックにおける厚生労働省が発表しているデータによると、2020年から2022年のクリニックの
キャッシュレス決済別の導入率は下記となります。
2022年3月の時点でクリニックにおけるキャッシュレス決済比率は全体で39.2%になります。
これは既存クリニックを含める全てのクリニックにおける比率ですので新規開業クリニックでは
更に多くのキャッシュレス決済を導入しています。
2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 | |
クレジット | 21.3% | 23.9% | 26.2% |
電子マネー | 2.9% | 4.2% | 5.7% |
QR決済 | 3.1% | 5.1% | 7.3% |
2.キャッシュレス決済導入についての注意点
クリニック様では、個人事業主が多く手数料が大きなハードルとなりキャッシュレス導入率を
増やせずにいた要因かと思います。一般的なキャッシュレス決済手数料は3%平均になりますが、
実際に現金であればその費用は発生することもありません。
ただし現金のみの支払いの場合には、銀行で振込・両替する手間や患者様の利便性と比較して
検討していく必要が有ります。
キャッシュレス決済を検討される場合には、実に多くのキャッシュレス決済代行会社があり、
手数料についても代行会社により、かなり差が有りますので要注意です。
3.セルフレジの普及
コロナウイルスの感染拡大から一気に非接触会計可能なセルフレジ・自動精算機の導入が増えました。
また現金管理ミスがなくなったことで、病院などで先行して導入されていたキャッシュレス決済の
ニーズがクリニックでも一気に高まり、3年ほど前より高齢者でも利用することの多い連携する
クレジット決済端末が初めに普及しました。当時は、まだまだニーズが少なかったPayPayなどの
QR決済もポイント付与のキャンペーンなどにより、患者様のニーズが高まり交通系電子マネーを
含め連携可能な自動精算機メーカが増えており価格もリーズナブルになりました。
まとめ
クリニックのキャッシュレス化はデータだけを見ても今後普及していくでしょう。
特に保険診療の場合には、患者様は受診時にいくら掛かるのかというのが分かりにくいので
キャッシュレス決済を導入することにより患者様の利便性は当然上がります。
保険診療の場合には一部負担金のみのキャッシュレス決済となりますので診療報酬の最大3割に対する
手数料となりますので患者様の利便性を含めレジ締め作業の効率化や銀行に行く手間やコストと
比較してセルフレジ導入やキャッシュレス決済を導入を検討してみてはいかがでしょうか。