厚生労働省は12月12日の「第8回地域医療構想及び医療計画等に関する検討会」で、臨時国会で成立した改正医療法で制度化された「外来医師過多区域における新規開業希望者への要請等」の仕組み案を説明しまいした。2026年4月施行となり、10月以降に「外来医師過多区域」に指定された区域で新規開業する医師に対して、医師少数スポットなどでの医療提供を求めることが可能になります。
外来医師過多区域の設定方法についての厚労省案は以下の通りになります。
①外来医師偏在指標で、全国平均値+標準偏差の1.5倍以上
②可住地面積あたり診療所数が上位10%となる2次医療圏を外来医師過多区域の候補区域と提示。
また都道府県が候補となる2次医療圏の中で「人口あたり医師数や可住地面積あたり診療所数等が特に高い市区町村や地区がある場合には、当該市区町村や当該地区を指定することも考えられる」としている。2025年12月に策定された「医師偏在対策に関するとりまとめ」では、「地域の医療機関の支え合いの仕組み」として
①医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件の対象医療機関の拡大等
②外来医師多数区域における新規開業希望者への地域で必要な医療機能の要請等の仕組みの実効性の確保
③保険医療機関の管理者要件
上記のの3つの取り組みが盛り込まれた。12月5日の臨時国会で改正医療法が成立し、検討会でも制度設計の議論が開始。2026年4月施行となるものもあり、急ピッチで具体化に向けた議論が進む。
外来医師過多区域で新規に開業する場合の新たな条件としては以下の通りです。
1.開業6カ月前に「提供する予定の医療機能等を記載した届出」を求める
2.地域の外来医療の協議の場への参加を求める
3.地域で不足している医療機能(夜間や休日等における地域の初期救急医療、在宅医療、公衆衛生等)の提供や医師不足地域での医療の提供(土日の代替医師としての従事等)の要請
※1.この条件を、やむを得ない理由を除き、都道府県知事の勧告を受け従わない場合、保険医療機関の指定を3年とする
※2.保険医療機関の再々指定時以降に、勧告に従わない状態が続いた場合は保険医療機関の指定を2年とする
まとめ
無床診療所は「届出制」であり、医師の開業は憲法上の「職業選択の自由」の対象となります。 閉鎖命令などの強い措置は極めて限定的(診療放置・重大違反など) といった法律構造から、「特定地域での開業を禁止する」ような強い介入はそもそも難しいという前提があります。今回の改正は、この前提のもと “地域医療との調和”を促す仕組みの整理 と理解するのが妥当かと推察されます。2026年4月施行までの間、引き続き注視していきたいと思います。
