医療総合コンサルティング株式会社メディカルリサーチ関西版 医療総合コンサルティング株式会社メディカルリサーチ関西版

医院開業コラム

2026年度診療報酬改定~医療モール依存への新ルール導入

2026年度診療報酬改定の全容が見えてきました。1月23日の中医協総会で示された個別改定項目(短冊)は、まさに「立地依存型薬局」への最終宣告とも言える衝撃的な内容です。10年前の「患者のための薬局ビジョン」策定から、ついに構造改革が最終局面に突入します。

  1. 都市部での「ドミナント・門前」はコスト増の時代へ

今回の改定で最も注目すべきは、政令指定都市および東京23区をターゲットにした「500メートルルール」の導入です。

既存の薬局から500メートル以内に新規開設する場合、処方箋集中率が85%を超え、月600回以上の受付があれば、問答無用で「調剤基本料1」から「基本料2」へと引き下げられます。かつて1975年に違憲とされた距離制限を、今回は「報酬制度」という形で実質的に再来させた形です。

さらに、病院近隣や医療モールへの出店には、新設の「門前薬局等立地依存減算」が待ち構えています。医療モールを「1つの医療機関」とみなす規定により、これまでの「複数クリニックからの応需で集中率を下げる」という抜け道も完全に封鎖されました。

  1. 「敷地内薬局」への厳しい視線と例外

議論の絶えない敷地内薬局についても、これまでの除外規定(但し書き)が削除されるなど、厳格化が進みます。

一方で、医療資源が乏しい「へき地」においては、半径4km以内に他店舗がない場合に限り「基本料1」を算定できる救済策も示されました。これは、単なる一律の締め付けではなく、「必要な場所に薬局を配置する」という誘導策へのシフトを意味しています。

  1. 「かかりつけ」は加算から「服薬管理指導料」へ統合

実務面で最大の変更点は、「かかりつけ薬剤師指導料」の廃止と服薬管理指導料への統合です。

これは、かかりつけ機能が「特別なオプション」ではなく、薬剤師が本来行うべき「標準業務」として再定義されたことを意味します。

また、薬剤師の勤務要件が「在籍1年→6か月」に短縮される一方、管理薬剤師には「3年以上の在籍」を求めるなど、「人」への信頼性をより重視する方向に舵を切りました。パーテーション設置によるプライバシー配慮の義務化など、ハード面での「質」も問われます。

 

まとめ:経営戦略の抜本的な見直しが不可欠

今回の改定案は、同一グループの店舗数300以上という基準の撤廃も含め、規模の拡大よりも「1店舗ごとの地域貢献度」を厳しく問う内容となっています。

「立地さえ良ければ患者が来る」というビジネスモデルの賞味期限は、2026年6月をもって完全に切れると言っても過言ではありません。今後は、都市部での新規出店を抑制し、いかに「面」での処方箋応需を増やすか。そして、管理薬剤師を中心とした「継続的な対人業務」を確立できるかが、生き残りの分水嶺となるでしょう。

north