皮膚科クリニックの設計のポイント
皮膚科開業の場合は、2つの診察室と1つの処置室を設けるクリニックが多いため、25~30坪で開業される先生が多いです。最近では、保険診療をメインに美容皮膚診療を併用した開業が多くなっており40坪程度での開業も多くなってきています。
1.免疫力の弱い患者への感染症対策を
皮膚科クリニックは新生児から高齢者までを対象とするため免疫力の弱い子供や高齢者は感染症にかかりやすく、待合室・診察室は感染症用の隔離待合室、隔離診察室を計画します。出来ればクリニック内は車いすやベビーカーのまま移動できるようにして、ベビーベッドの配置や待合ソファーの形状、外来トイレの子供用便器の設置など考慮したレイアウトが理想です。
2.女性視点を大切にした設計レイアウトづくりを
最近の皮膚科クリニック開業では保険診療のみをおこなうクリニックよりも保険診療+自由診療をおこなうケースが大半です。特に自由診療に力を入れていく場合は、女性患者を多く集めなくてはならないため自由診療を受診される女性の視点を考えながら、きめ細やかなサービスを検討しましょう。
例えば、お化粧直しやブラッシングなどができ、女性患者さんがゆったり使えるようにパウダールームがあると便利です。
パウダールームを検討される際は、待合室から見られないレイアウトにしたほうがよいでしょう。合わせて、ウェットティッシュや綿棒など女性があったらうれしいと思うものを常備すると喜ばれます。それも大量に置かず小ロットにして小まめに補充することがポイントです。
また、子連れの女性でも利用しやすいようにトイレのスペースを広めに設計し、『ベビーキープ』を設けるといったことも検討事項にあげられます。
まとめ
皮膚科は、あらゆる診療科目の中で最も患者1人当たりの診療単価が低い科目です。よって、他科に比べてより多くの患者を診ないと収益が上がりません。
つまり『数』で勝負しなくてはならない科目です。ただ、『診療時間』は限られております。
そのためには“多く”の患者さんを”短く”診療するためにはどうすればよいかを考えた上での、無駄のない動線レイアウト徹底的にを検討する必要があります。