今年、世界情勢を一変させてしまった新型コロナウイルスですが、日本でも感染者数が増加し、大きな社会問題になっています。
今回は流行中の新型コロナウイルスについてクリニックの院内感染対策や、患者様の来院時における注意点を紹介していきます。
患者様の湿性生体物質(血液・体液・分泌物・嘔吐物・排泄物・創傷皮膚・粘膜など)は感染の危険性があるものとして対策をします。これらの物質に触れる可能性がある場合には手袋の着用、飛び散る可能性がある場合は手袋・マスク・エプロン・ゴーグルを着用する等の対策に加え感染経路別の対策が必要になります。
飛沫感染対策
➀1m以上ベッドを離してカーテンで仕切る、個室の使用を推奨
②患者の1~2m範囲内でケアする場合はサージカルマスクやゴーグル(必要時)を着用する
接触感染対策
➀患者に使用する体温計や血圧計などを専用化する
②患者が触れるドアノブや手すりは医療用アルコールクロスで消毒する(※もしくは塩素系漂白剤や洗剤の使用)
クリニックの具体的な取り組み例としては
1.患者へお願いする予防対策
➀マスク着用・来院時の検温・診察するまでの院外待機
②かぜ症状がある場合は事前連絡の上、診療時間を調整し隔離用に指定された待合室、診察室を利用
2.施設内の予防対策
➀密閉回避のため、厚生労働省ガイドラインの規定通りに換気
②ソーシャルディスタンス(社会的距離)の遵守
③キッズスペースのおもちゃや絵本の撤去
④待合室における雑誌や新聞、ウォーターサーバー等の撤去
⑤受付にビニールカーテンの設置
⑥待合室の人数をできる限り少なくして「密集、密接」を回避
3.スタッフの予防対策
➀フェイスシールド、ゴーグル、ガウン、手袋などの防護服の着用
②スタッフの検温、発熱、かぜ症状、倦怠感などの症状があれば自宅待機の徹底
4.診療内容の予防対策
➀オンライン診療の導入
②電話診療の導入
③診療時間の短縮や変更、予約システムの導入
④再診の方を対象に、電話受付による処方せんの発行
その他、定期的なスタッフへの検査実施、飛沫発生を防止対策として粘膜に触れる検査の一時休止等の対策を行う。
まとめ
今回は新型コロナウイルス感染症対策として、クリニックで実施すべき感染症対策や予防法について紹介してきました。また感染症対策や予防法のみではなく、患者様に対して院内の新型コロナウイルス感染症対策各種取り組みについてクリニックホームページでの告知をおこなうようにされることをお勧めします。