スタッフの採用ポイント
クリニックの運営には優れたスタッフの力が必要不可欠であり運営は受付や事務、看護師、助手など、スタッフの協力によって成り立つものです。とくに開業直後の不安定な時期には、全員が一致団結したチームワークが必要。そんな組織の一員となれる優れた人材を、開業を志す先生は見極めなければなりません。
しかし多くの勤務医の皆様にとって、スタッフの募集や面接は未知の領域ではないでしょうか。医療業界全体が慢性的な人材不足にある中、クリニックの長たるドクターはどうやって人を集め、何を基準に選ぶのか? 今回はその手法とポイントを紹介します。
1.人材によって募集方法を使い分ける
募集の手段として、多くの方が最、看護師な初に思い浮かべるのがハローワークではないでしょうか。無料で利用でき、経営者としては魅力的です。ただ、最近は医療業界もインターネットでの求人活動が盛んになってきておりどの専門職については大多数の方が民間の転職サイト登録されており、中でも看護師を専門とした転職サイトを利用した方が有利です。掲載費用がかかりますがその反面、職業意識の高い人材を採用できる可能性は高いでしょう。
人件費・交通費を抑えるために、クリニック周辺地域からパートタイムのスタッフを募りたい場合は、配布エリアが絞れる折込チラシでの求人が有効です。その場合は開業前のPRも兼ねるように大きめの募集紙面して下さい。一石二鳥で費用対効果が高まります。
その他には看護学校や専門学校に募集をかける方法があります。募集掲載費用は無料ですし、クリニックでの勤務未経験の為に当然ながら即戦力となる人材は期待できませんが、空き時間を有効活用されたいパートタイムでは無く就職するために応募されるためパートタイムとは意識が高く最近では多くの新規開業クリニックでは採用されておられます。
いずれを利用するにしろ、それぞれで応募者の傾向には特徴があります。必要な人材とマッチする募集方法を、うまく使い分けて利用して下さい。
2.面接で応募者の見えない点をチェック
面接という状況の中では、双方お互い緊張するものです。限られた時間で滞り無く、かつ漏れのない質疑応答を行うためには、質問事項を前もって準備しておきましょう。質問内容は凝ったものである必要はありません。自己PRや職務経歴、前職の退職理由など、一般的なもので結構です。なぜなら面接時に重要視すべき点は、人と会話する時の態度や印象だからです応募者の回答自体ではありません。仕事に対する意欲や前向きさを感じられるか?相手が理解しやすいような話し方を心がけているか?など、応募書類では見えづらい点を吟味しましょう。
また、クリニックの将来像や経営理念について、意見交換をしておくことも重要です。待遇など条件面の会話に終始する面接で採用した人材の定着率は比較的低い傾向にあるようです。クリニックになくてはならないスタッフ、クリニックと共に歩んでくれるスタッフを採用したいのであれば、医療に対する価値観を共有できることが条件であると心得ましょう。
また、知人からの紹介などの縁故採用については、一般採用枠以上に慎重な検討が必要です。優秀な人物であることがあらかじめ分かっているなら積極的に採用すべきですが、そうでない場合も往々にしてあるはずですし。将来、何らかの問題が起こったとしても、紹介者の手前厳しい処遇を下しづらいことも。余計なリスクを回避するためにも、縁故採用といえども人柄重視の観点は忘れないようにしておきましょう。
まとめ
お子さんや高齢の患者さんが来院される際には、ご家族が付き添われるケースも多いものです。そのため、クリニックの評価や評判は、患者さん本人だけでなく、来院者の総合的な満足度によって決まるといえます。来院者から良い評価や評判を得るには、クリニック運営を支える医師とスタッフの洗練されたチームワークが欠かせません。全員参加の運営意識を高めながら、開業準備を進めましょう。