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医院開業コラム

歯科医院における経営改善策①~人件費編

変わらない人件費率

多くの歯科医院の平均的な人件費率は20%前後ですが、それ以上の場合には、どのようにすればよいのでしょうか?

経営改善として解決策が人件費の削減なのですが、実際は人件費を削減したところで、人件費率は変わらないです。どの業界であっても、人への投資というのがもっとも効率のよい投資なのです。人件費率が高すぎるからといって、安易にスタッフを解雇してしまうと、悪循環になることが多いです。スタッフを解雇するにより、他のスタッフは院長を見る目がとても厳しくなります。

スタッフが納得する正当な理由が有れば別ですが、そうでないとスタッフと院長の信頼関係は揺らぎ、医院の雰囲気は非常に悪くなってしまいます。こういった空気感というのは、来院される医患者さんに伝わるのです。実際に経営改善の御相談でクリニックにお伺いするケースも多くありますが、このような空気感が伝わるクリニックもあります。一旦そうなると、一層医院の売上げが落ちてしまうことになり、結局は売上高に占める人件費率は、スタッフを解雇する前とあまり変わらなくなってしまうのです。いったん採用したのであれば、院長としてその採用に責任を持って教育して、一人前に持っていく必要があると思います。

 

ポイント1・・・スタッフを増員し、それ以上の売上を上げる努力をする

スタッフの人件費率が高すぎる場合には、分子である「人件費」の削減を考えるのではなく、分母である「売上高」のアップを考えるべきです。より良い人材が増えれば人件費以上に売上げが上がります。実際に、優秀な歯科衛生士やドクターを雇用して売上減少した、ほとんど変わらなかったクリニックを見たことがありません。ですので、少し人を入れるのは早いくらいのタイミングで、スタッフの採用を考えるほうが賢明です。

 

 

ポイント2・・・人件費率が低い医院はあまり発展しない

御盛業されるクリニックに共通しているのは人件費率が他の医院よりも高いことです。これは、次々と人を雇っていくので、いつまで経っても人件費率が減らないのが理由です。人件費率は減りませんが、売上高は伸びていきます。

歯科の適正な人件費率は20%とよく言われますが実は誤りで、歯科の平均的な人件費率が20%というのが正解です。つまり、人件費率20%というのは、伸びている医院と伸びていない医院の区別なく、すべての医院の平均値であり、クリニックを発展させようと思えば、人に投資をしてそれ以上の売上げを上げていく、という戦略を取っていくべきです。この部分にいか早く気がつき、勇気を持ってそれを実践できるか、これが歯科医院経営発展のポイントとなります。

 

 

ポイント3・・・間接人件費は「時間を金で買う」と心得る

歯科衛生士さんやドクターは売上げに直結してきますが、歯科助手や事務長などの間接人件費は売上に直結しませんので時間をお金で買うというイメージになります。たとえば、歯科助手が入ってくれたことで院長の時間が空く、事務長が入ったことで院長の時間が空くとなれば、その空いた時間で、院長はもっと生産的な仕事を行うことができるようになります。

 

まとめ

今の売上げを上げながら、未来の売上げを作るイメージで1日のうちに未来の売上げを作る時間をどれだけ確保することが出来たかを考えて下さい。そして是非勇気を持って優秀なスタッフの投資をしてみて下さい。

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