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医院開業コラム

医療業界におけるAI・チャットボット活用の今(1)

医療業界でのチャットボット活用

人材不足・人手不足が社会問題になっている昨今、AI・チャットボットの活用が様々な分野で進められています。特に多くのお客様に対応をする必要のあるメーカー・サービス事業者にとっては、なくてはならないサービスとなっています。

医療業界においても、製薬会社をはじめ、AI・チャットボットの活用が進みつつあります。

 

■「700品目以上の医薬品情報を提供:沢井製薬のチャットボット導入事例」


ジェネリック医薬品の沢井製薬のウエブサイトでは、薬品の効果・効能や用法・用量といった製品に関する基本情報から、製品の写真、各種試験データまで、医療関係者向けに自社製品に関するさまざまな情報を提供している。

ただ、製品数が700品目以上と多岐にわたることから、必要とされる情報をすぐに見つけ出すことが困難となっていた。

そこで同社では、日立システムズが提供するAIチャットボットの「CAIWA(かいわ)」をベースに、公式キャラクター「ジェネちゃん」によるWebサイト案内機能を構築。

「CAIWA」では、入力された単語や文章そのものだけでなく、文章全体の意味や入力意図を理解し、表現の「ゆらぎ」も含めて適切な回答ができるように設計されています。

[参照:沢井製薬株式会社「医療関係者向け情報サイト(sawai medical site)リニューアルのお知らせ」]

 

■チャットボット型電子カルテ「ドクターQ」(AIによる医療系製品開発の株式会社NAM)


2017年11月29日、AIによる医療系製品開発の株式会社NAMは、2018年1月から医療機関を対象にチャットボット(自動応答プログラム)型電子カルテ「ドクターQ」の提供を開始すると発表した。

現在の医療現場が抱える課題のひとつに、医師が患者の経過を把握することのむずかしさがある。患者は、経過が良好なときには医師への報告をしないことが常になっており、自覚症状が少ない慢性疾患では、自己判断で治療を中止してしまうこともまま見受けられる。

その一方で、患者は自分自身の医療情報を持つことがむずかしいという現状もある。お薬手帳はスマートフォンで持ち歩こともできず、カルテを閲覧するのも困難だ。

映像通話を用いる遠隔診療で保険診療を行うことが可能になったが、相手の顔を見て会話を行って診療をしなければいけないという制約があり、まだまだ医師が患者の経過を手軽に収集できるという状況にはいたっていなかった。

NAMが提供するチャットボット型電子カルテ「ドクターQ」は、こういった医師と患者双方の課題を解決するため、「ドクターQ」のシステムは、利用者となる患者と医師、それぞれのための機能を兼ね備えている。

[参照:AMP(アンプ)]

 

これまで、医療業界においては、患者一人ひとりにあわせて接客対応や高度な医療対応を行う必要があることから、AIやチャットボットの活用は進みずらい状況がありました。

ただし、専門用語や情報の正確性にも対応ができる高性能なAIや、比較的簡単に導入ができるシナリオ型のチャットボットなど、いろいろなサービスが出始めています。

次回は、手軽に導入できるチャットボットのご紹介や特長、具体的な活用方法について、ご説明させていただきます。

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