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医院開業コラム

2026年度診療報酬改定動向

中医協(中央社会保険医療協議会)における診療報酬改定のスケジュールは、2年に1度(偶数年)実施される診療報酬改定に向けて、前年度から段階的に議論・調整・決定されていくのが通例です。2026年の診療報酬改定に向けて、2025年の今から議論はすでに始まっています。財政制度分科会の提言で、その提言を受けて中医協で具体的な診療報酬が決定される流れになります。

 

【2026年度診療報酬改定 スケジュール】

 

時期 主な内容 想定日程
2025年7月~10月 分野別(入院・外来・調剤・在宅など)詳細議論 毎週水曜日に定例開催(7月2日~10月29日)
2025年11月上旬 各種団体ヒアリング・点数案の骨格議論 2025年11月5日以降
2025年12月中旬 政府(厚労省・財務省・官邸)で改定率決定(例年「本体+薬価」で決着) 2025年12月17日想定
2026年1月 中医協が改定案(点数素案)を公開・議論 2026年1月7日想定
2026年1月中旬 パブリックコメント開始(2週間程度) 2026年1月20日〜2月3日頃
2026年2月中旬 中医協「答申」を厚労相に提出 → 正式決定 2026年2月12日
2026年2月下旬 厚労省が点数表・通知・告示を順次発表 ~2026年2月28日
2026年3月 保険者・医療機関が対応準備 2026年3月1日〜31日
2026年4月1日 診療報酬改定施行・新点数運用開始  2026年4月1日(火)

 

財政制度分科会は、財務省の審議会の一部であり、国家財政の健全化、社会保障費の抑制、歳出構造改革などを主な議題としています。ここでの議論は、特に診療報酬や介護報酬などの社会保障費に強く関連しています。

 

所属: 財政制度等審議会(財務省の諮問機関)

役割: 医療・介護・教育など、歳出分野における財政のあり方を提言する

診療報酬との関係性

診療報酬の改定は、基本的に以下の2つのルートを通して決定されます。

中医協が“点数配分の中身”を議論するのに対して、財政制度分科会は“財政的に増減できるか”という枠組みや方向性を与える立場にあります。

具体的には財政制度分科会の提言が診療報酬に影響を与えた例を見てみましょう。

 

  1. 診療所報酬の地域差導入の提言

財政審は、診療所の経常利益率が2020年度の3.0%から2022年度には8.8%へと急増していることを受け、診療所の報酬単価の引き下げを提言しました。また、地域別に1点当たり単価を設定し、診療所過剰地域から不足地域への医療資源のシフトを促すことも提案されています。

 

この提言を受け、2024年の診療報酬改定では、生活習慣病関連の報酬について算定要件の厳格化が図られ、管理料や処方箋料が0.25%引き下げられました。また、在宅医療についても報酬の引き下げが行われています。

 

  1. リフィル処方箋の促進と処方箋料の引き下げ

財政審は、リフィル処方箋の普及促進を提言し、処方箋料の時限的引き下げなどの調整措置を講じる必要性を示しました。これにより、リフィル処方箋の活用が進められ、医療費の適正化が図られています。

 

  1. 医療機関の経営情報の見える化と報酬体系の見直し

財政審は、医療機関の「経営情報データベース」において、職種別の給与・人数の提出を義務化すべきと提案しました。また、診療報酬の加算の算定に当たって職種別給与等の提出を要件化することも提言されています。これにより、医療機関の経営情報の透明性が向上し、報酬体系の見直しが進められています。

 

  1. 後発医薬品の使用促進

財政審は、医療費の適正化を図るため、後発医薬品の使用促進を提言しました。これにより、後発医薬品の使用割合が診療報酬の加算要件として設定され、医療機関における後発医薬品の使用が促進されています。

 

まとめ

今後も、医療提供体制の改革に向けた議論が続けられる中で、医療費を削減し国の財政健全化をはかりたい財務省からの提案・検討される可能性もあります。

改定内容によっては診療方針の転換を迫られる可能性もありますので注視するように心掛けてください。

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