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医院開業コラム

2026年診療報酬改定の主要ポイント

2026年(令和8年)6月1日に施行された診療報酬改定は、「物価高騰への対応」「医療従事者の継続的な賃上げ」

「医療DXの推進」を3大テーマに掲げ、医療機関の経営基盤強化と効率化を強く推し進める内容となっています。

今回は改定の主要ポイントを分かりやすく解説します。

1.プラス改定の背景と「賃上げ・物価高騰」への重点投資:2026年度・2027年度の2年度平均において、診療報酬本体はプラス3.09%という大幅な引き上げが行われました。賃上げ対応(ベースアップ評価料の拡充):改定率のうち最も高い割合(+1.70%)が医療従事者の処遇改善に充てられました。医療現場の深刻な人手不足を解消するため、「外来・在宅ベースアップ評価料Ⅰ」などの点数が大幅に引き上げられ、医師や看護師、医療スタッフの給与水準向上を強力に後押ししています。

2.物価高騰対応(外来・在宅物価対応料の新設):インフレに伴う光熱費や医療材料費の負担増からクリニックを守るため、初診・再診時に一律2点(20円分、3割負担で6円)を上乗せして算定できる仕組みが新設されました。

3.マイナ保険証利用を加速させる「医療DXの再編」:従来の「医療DX推進体制整備加算」と「医療情報取得加算」が統合され、「電子的診療情報連携体制整備加算」へと再編されました。点数は底上げされたものの、算定にあたってはマイナ保険証の利用率(30%以上など)のクリアや、電子処方箋・電子カルテ情報共有サービスの導入といった具体的な実績が要件化されています。これにより、各医療機関にはこれまで以上のデジタル化対応が強く求められています。

4.外来・在宅医療の効率化と「現場の負担軽減」生活習慣病管理料の署名廃止:クリニックの事務負担を軽減するため、療養計画書の発行時に必須だった患者の署名(サイン)が不要となりました。これにより、診察室での手続きが大幅に効率化されています。在宅医療の適正化:高齢化の進展を見据え、24時間体制の看取りや訪問看護の評価が手厚くなりました。その一方で、特定の患者層(同一建物内など)に偏った効率重視の訪問診療に対しては、一部割合制限が設けられるなど適正化が進んでいます。

5.患者の窓口負担および薬剤評価の見直し受診時の負担増:再診料が1点(10円)引き上げられたことや物価対応料の新設により、3割負担の患者は1回あたり数十円程度の負担増となります。入院食費の引き上げ:入院時の食費基準額が引き上げられ、一般所得者の自己負担は1食550円に増額されました。先発医薬品の選定療養:患者が希望して先発医薬品(長期収載品)を処方してもらう場合、後発医薬品(ジェネリック)との差額の一部を患者自身が全額自己負担する仕組みが強化されています。

 

【まとめ】2026年の改定は、4月1日の薬価改定に続き、6月1日に診療報酬本体が施行されました。医療機関が新設された加算を継続して算定するためには、管轄の地方厚生局へ新様式での再届出を速やかに行う必要があります。今回の改定は、医療費の抑制を図りつつも、現場の「人(賃上げ)」と「維持費(物価)」へ予算を集中させ、持続可能な医療提供体制の構築を狙った極めて重要な転換点と言えます。

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