医師の地域偏在解消に向け、新たに「医師確保計画」に則った医師確保策(医師派遣の充実や、医師少数地域での勤務の評価、大学医学部への地域枠・地元枠の設置要請など)が2020年度からスタートしますが、2020年度以降の新規クリニック開業には新ルールが適応されます。
2018年12月26日に開催された第25回医師需給分科会(医療従事者の需給に関する検討会)においては、外来医療(診療所医師)の偏在対策として、「外来医師多数区域」(二次医療圏単位)を設定、同区域でクリニック開業する場合には、届け出を行う際に、在宅医療、初期救急医療、公衆衛生など「地域で不足する医療機能」を担うことを合意する旨の記載欄を設ける方針を提示した。合意欄への記載がないなどの場合には行政が開催する協議の場への出席を求め、協議結果を公表する方針が了承されました。
今後の流れとしては、厚労省は2019年3月末までに、「外来医師偏在指標」や「外来医師多数区域」の考え方などを盛り込んだガイドラインを策定。それを基に都道府県は、外来医療に関する医療計画を2019年度中に策定。厚労省は、外来医師多数区域での開業を減らし、外来医療の偏在解消を目的とし、2020年4月以降、「外来医師多数区域」で開業する診療所に新ルールを適用とするというものです。
新規クリニック開業する際の新ルールとは
外来医師多数区域の設定は新たな偏在指標に基づき上位33%を多数区域とし、多数区域での新規クリニック開設者には在宅医療等を求めるというもの
届出書の中に①在宅医療・初期救急医療(夜間・休日の診療等)②公衆衛生(学校医、産業医、予防接種等)などの地域で求められる役割を果たす旨を記載することが求められるようになります。いわゆる「ビル診」であっても、自由診療(美容整形など)のみを提供するクリニック(診療所)であっても、同様の手続きを踏むことが求められます。限りある医療資源を有効活用するために、すでにクリニック(診療所)が充足している地域での新規開業には「より大きな地域医療への貢献を求める」という考えです。
「地域医療へ貢献する」旨の記載を拒むこともできますが、その場合には外来医療のあり方を協議する場に出席し、地域医療の関係者とともに地域において果たす役割などを協議することになります。またこうした協議結果は公表されることになります。
まとめ
あくまで医師の多い地域、その地域に必要な医療機能の情報を、新規に開業を考えている医師へ提供し協力を仰ぐといった内容であり今後も医師需給分科会の開催は予定されておりますので、随時内容を確認しご案内させて頂きたいと思います。