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医院開業コラム

開業医のゆとりある老後のための事前準備①~医師年金の利用編

公的年金と預貯金だけで、老後に今と同じような生活ができるのだろうか?と考える医師の方は少なくないでしょう。現役時の収入や支出と比べると、自分が引退した後の厚生年金や国民年金は微々たるものに過ぎないため、場合によっては金銭面の事情も含めて生涯現役で働かなければならなくなるケースも想定されます。そうならないよう、私的年金への加入を検討する方もいらっしゃるでしょう。

今回は、公的年金以外の老後生活資金の確保手段となる「医師年金」について解説します。

 

医師年金とは

医師年金とは、満64歳6ヵ月未満の日本医師会に加入する医師の方が加入できるものです。保険料には、全員加入する必要のある「基本年金保険料」と、追加で任意加入可能な「加算年金保険料」があります。

基本年金保険料は、月払いのケースで月額1万2,000円、年払いのケースで月額13万8,000円となります。加算年金保険料は、月払いで6,000円単位、随時払いでは10万円単位で支払っていくことも可能となっています。加算年金保険料は、上限がないのが特徴です。

こうした掛金を支払い、一般的には満65歳から養老年金として受け取ることになりますが、希望により満75歳まで受給開始を延長することも可能です。また、医師年金をお子さまの教育資金として利用することもできるほか、疾病により診療に従事できない場合には傷病年金となり、加入者本人が亡くなった場合には遺族年金を遺族が受け取ることもできます。

特に開業医の場合には現役時と同様に年収2,000万円以上の生活がしたいとなると、公的年金では全く足りないことになります。そこで医師年金をはじめとする老後の私的年金を準備したり、勤務医の方であれば退職金を活用したり、退職時までに計画的に貯蓄したりするなどの対策が必要となります。

中には個人開業医などの場合には、国民年金のみの加入という方もいることでしょう。この場合、年間で78万円前後(夫婦で156万円前後)の受給のみとなりますので、まったく老後資金は足りないことになります。そのため、医師年金などの代替手段で老後資金を確保していく必要があります。

 

まとめ

クリニック開業時には、主に開業についてのシミュレーションばかりに気を取られてしまいがちになりますが、自分に合わせて事前に計画を立て、老後に備えてはいかがでしょうか。

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