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医院開業コラム

最近のクリニック開業傾向①~開業年齢編

最近のクリニック開業年齢の傾向

最近の傾向として弊社への開業相談や開業登録を含め、以前に比べ年齢層が幅広くなっていることを実感します。30代から60代で開業を志すドクターの年齢層が拡大する傾向や、保険診療と自由診療の両方を標榜する医院の開業が増えるなどの傾向もみられます。以前からも40代前半で開業する医師が多く、今も中心は40代ですが、最近は30代前半で開業を考える医師も増えており、弊社でも日々様々な開業相談を頂いております。弊社の昨年、一昨年の開業をお手伝いさせて頂いたドクター様においても約3割が30代半ばの新規開業でした。この傾向は医局制度がなくなり、若い医師も進路が自由に決められるようになっており30代での開業に影響していると考えられます。

 

以前であれば、まずは経験を積み、スキルを高めながら開業のタイミングを判断するのが一般的でした。ですが現在では、早くしなければ他のドクターに先を越されてしまうという焦燥感が先に立ち、いち早く行動しようと考える方も増えてきているようです。

 

今は開業すれば誰でも一定の成功は得られるといった時代は終焉し、現在では立地の優位性などの強みがなければ運営が立ち行かないということも考えられ、開業されている先輩医師の苦境を見聞きするという機会も以前より増えているなかで、競合に先を越されて患者を囲い込まれる前に自分が開業と考えられる傾向でも有ります。

 

また一方でクリニック開業年齢の高齢化という現象も起きており、50代後半から60代で開業を検討されるドクターからの問い合わせや登録も増加しています。実際に面談させて頂いた際にも、まだまだ診療の最前線で働きたいというドクターも多く10年から15年は現役を続けたいと考えておられ、御子息への継承以外にも後継者を育て引き継ぐ、譲渡するといったドクターもおられます。このようにあくまでも御自身の医師としてのキャリアを継続させるためのクリニック開業を希望される傾向にあります。

 

また競合の存在を注視されるドクターが多く、立地面では、同じエリアでも駅前、住宅地、バス利用圏などさまざまな場所がありますが都市部などでは飽和状態のエリアもあるため、最近は希望エリア内で競合がいない場所を強く望む医師が増加している傾向にあります。

 

たしかに競合がいるかどうかは場所選びの重要なポイントで、原則的には避けるのが基本です。但しある程度の人口密度が高いエリアでは、もはや競合のいないエリアは少ないので注意が必要です。最近は、まず弊社では勧めない開業に相応しい立地ではないエリアで、他社コンサルタントから競合がいないというセールストークにひかれて、誤った選択をしてしまうケースも散見され開業されておられるクリニックを見かける事が多くなりました。

 

競合がいないような場所で大手が入っていて患者を取り込む隙がない、人の流れから外れた場所など、理由は幾つか有りますが、競合が少ないのではなく、魅力のある開業立地ではないから競合が無いだけで、そもそも成功する立地では無く失敗してしまう立地での開業だったということです。その事に気づくのは開業後になります。

 

まとめ

開業すれば誰でも一定の成功は得られるといった時代は終焉しています。予め計画的なクリニック開業のコンセプトをまとめ専門家に相談される事をお勧めします。

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